ラッパ光る

トランペット吹きが楽器や音楽について発信していくために開設。何かのお役に立てますように。

楽器奏者に筋トレは必要か否か……目的をしっかり持って行うことの大切さ

こんにちは、ムトウです。

 

ここ数日、肉体労働が多かったために体がギシギシになっており、ヨガやストレッチの重要性を再確認しているところです。

 

さて、今回はよく吹奏楽部などでも取り沙汰される「筋トレ」について、私なりの意見を述べてみたいと思います。

 

 

答えから言うと、私は筋トレをすることそのものには賛成です。筋肉をつけることは健康にも繋がりますし、成長期に運動をすることは非常に有益だと思うからです。

 

しかし、「楽器の上達のために筋トレ」を行うことは反対です。

 

私も中学生の頃、所属していた吹奏楽部で筋トレがメニューに組まれていました。内容は腹筋、背筋、腕立て、スクワットなどなど……体力のない私にはなかなかハードでした。毎度行うたびに満身創痍になってました。

 

ただ疲れるだけであれば休憩すれば良いことなのですが、ここで問題が起き始めたのです。

 

筋トレを繰り返していくにつれて、楽器の演奏がしづらくなっていったのです。息が吸いにくかったり、楽器の角度が今までと変わったり……これは私にとって恐怖でした。

 

そのため、当時の私は部内で筋トレを辞めるように進言しましたが受け入れられず、筋トレが行われる日は遅刻したり、サボって楽器の練習をしていました。部員からしたら目の上のたんこぶだったでしょう(笑)

 

ここ数年、本格的にトランペットを勉強するようになって、演奏に使われる体について考えを巡らせるうちに、このことを思い返していました。なぜ部活で筋トレをしていたのか。その理由を思い出したのです。

 

それは、「腹筋がつけば楽器が上手くなる」「筋力がつけば楽器を持っても疲れない」などでした。

 

 勉強した今だから分かることですが、腹筋で鍛えられる腹直筋などのアウターマッスル(表層筋)は、楽器の演奏とはほぼ無関係なのです。そのため、当時行っていた腹筋は役に立たないどころか、腹筋を無理矢理に固めてしまい、楽な呼吸を邪魔してしまっていたのです。

 

当時の私は筋トレで楽器が上手くなると本気で信じていましたが、実際にはマイナスになることを体験しました。この体験はなかなか貴重なものだったと思います。

 

ならば、最初から「体力づくり」を目的として筋トレをすれば良かったじゃないか!

 

そう、その通りなのです。

 

私がここで言いたいのは、目的を明確にしてそれを行うということなのです。

 

少し話題を変えましょう。(読者がいらっしゃれば)主に金管奏者のみなさんにお訊ねします、「リップスラー」は何のために練習するでしょうか、考えてみてください。

 

各々に理由があると思います。例えば私は「柔軟性の向上」、「音域間での均質な音色の研鑽」、「息の状態の確認」だったりします。

 

目的を定めてその練習を行うことは、何よりも大切だと私は考えます。旅であれば目的地を定めないぶらりな旅も素敵ですが、楽器の上達にぶらりは禁物。

 

目的地が分からないまま闇雲に進んでも、ゴールにはたどり着けません。偶然目的地にたどり着けることがあるかもしれませんが、そこまでの道筋が分からないと、帰り道も分かりませんよね。

 

楽器も同じです。ハイノートを例にしても、偶然ハイノートが出ても、なぜ出たのか理由が分からない。そのために他人への説明はおろか、自分自身への説明も出来ない。それは偶然の一発で終わってしまう……。

 

とまあ、楽器についても少し語ってしまいましたが、ここで話を筋トレに戻します(笑)

 

いわゆる筋トレは、体力の向上や筋力をつけるということには繋がりますが、楽器演奏の向上とは結び付かないと私は考えます。そもそもの目的が違うのです。

 

ですが、体力が向上した結果、長い時間の練習でも疲れにくくなる、ということは有り得ます。健康になるのも大変有意義です。実際に私は筋トレは行いませんが、体力の現状維持として時々ジョギングをしています。あとは毎朝ヨガを少々。

 

 繰り返しになりますが、体力向上を目的とした筋トレであれば行ってみても良いでしょう。しかしそれを楽器の演奏の向上と直接結びつけてしまうのは、危険なことです。

 

先述の腹筋が固まってしまい、演奏がしづらくなったというのも、腹筋運動によって起こる腹直筋の成長、そして成長における硬直を頭で理解出来ていなかったから起きた「認識のズレ」であり、ちゃんとそれを頭に入れておけば、腹筋が割れるくらいに運動をしても、演奏に支障が出ることはないでしょう。

 

個人的には、筋トレよりも楽器の練習をしてほしいですけどね(笑)

 

筋トレの代わりにヨガを取り入れてみるのも良いでしょう。ヨガは呼吸を伴って体を曲げるので、呼吸に使われるインナーマッスルの向上にも繋がります。私が行うレッスンでも、ヨガをおすすめすることがあります。

 

ここまでいかがだったでしょうか?

 

筋トレについてはもちろん、楽器の練習についても考える機会となっていれば幸いです。

 

今回はこれにて。