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ラッパ光る

トランペット吹きが楽器や音楽について発信していくために開設。何かのお役に立てますように。

超個人的、スライドグリス使用感レビュー

こんばんは、ムトウです。

 

以前書いたバルブオイルの記事に続いて、今回はグリスについての記事を書いていきます。

 

グリスはメインチューニングスライドに使用されることが大半だと思います。マウスピースからマウスパイプ、そして最初に息が辿り着く場所であり、吹奏感の大半はここまでのバランスで決まると言っても過言ではありません。

 

そのために自分の楽器に合った、そして自分の好みにあったグリスを選ぶことは不可欠と言えます。

 

それでは紹介していきましょう。

 

 

 

 

言わずと知れたBach、以前はセルマーのコルクグリスとして販売されていた経緯もあります。赤ジャム・イチゴジャムと呼ばれるグリスです。

 

ジェルのような質感で、粘度は高めのグリスになります。私の知り合いのBachユーザーの大半はこちらを使っている印象です。粘度は高いですが伸びも非常に良く、指で伸ばすと、するするとスライド全体に塗ることが出来ます。

 

粘度が高いグリスは、楽器を握りしめたような音になる傾向があるのですが、赤ジャムに関してはそれが少ないように感じます。楽器全体が振動し、芯のある音色を得ることが出来ます。程よい抵抗感も得ることが出来るため、非常に完成度の高いグリスと言えます。

 

ただし夏場、気温が高いと溶けて柔らかくなってしまうため、追加で塗ったり、また溶けた分を拭き取る必要があるのが難点ですが、それを補ってなおこのグリスを使用する価値はあると思います。

 

続いてはこちらのグリスです。

 

アメリカのメーカーとしてはBachに並んで名高い、シルキーのスライドグリスです。

 

粘度は低く、柔らかな使用感が特徴的です。

 

グリスとしては赤ジャムに並んで人気のあるもので、シルキーはもちろん、ヤマハのZホーンやエリックモデルと呼ばれるジャズ・ポップスに使用される楽器群など、息の量よりも流れを重視する、いわゆる軽い楽器に非常に相性の良いグリスです。

 

以前紹介したクイーンブラス、ゾロトランペットにもこちらのグリスを使用しました。

 

抵抗を作るというよりは息の流れを止めない印象があり、ポップスで音量を必要とする演奏の際に効果を発揮します。音は明るく、拡散していくような印象があります。

 

続いてはこちらです。

 

日本の誇るヤマハ、そのグリスの中で最も固いグリスです。

 

以前、メインチューニングスライドが摩耗してしまい、ピストンを押した振動で抜けてきてしまう状態だった時に応急処置的に使用しました。

 

非常に固いグリスで、粘度も凄まじいです。いわゆるビンテージの楽器に使用するか、多くの抵抗感が欲しい時に重宝します。

 

続いてはこちら。

 

同じくヤマハ、こちらはレギュラータイプとなります。

 

粘度はBachの赤ジャムよりは低く、シルキーよりは固い、中間的な柔らかさです。見た目も白い色で、ニュートラルな印象を与えます。

 

非常に持ちがよく、一度塗れば暫くは塗らなくても大丈夫です。スティックのタイプも販売されています。以前は緑色のグリスで、よく楽器を掃除した時に出てくる緑色のヘドロの原因はこのグリスが改良される前のものだったりします笑

 

改良されたことにより、ピストンケーシング内にグリスが流れ込むことはほとんどなくなりました。使用時の音色はクセのないクリアな印象です。

 

続いてはこちら。

非常に多様な商品を販売しているヘットマンのスライドオイル、5番です。

 

厳密にはグリスではないのですが、スライドに使用するので今回ご紹介します。

 

こちらは演奏時に抜き差しされる一番スライド、三番スライドに使用されるものです。粘度は中くらいで、楽器との気密をしっかりと埋め、状態の維持に役立ちます。

 

続いてはこちら。

同じくヘットマン、こちらは前の製品よりも粘度が低く、よりスムーズなスライドアクションが可能な4番のスライドオイルです。

 

私自身も三番スライドに使用しており、演奏時のスライド動作に全くストレスなく対応してくれます。音も非常にクリアで、楽器の持つ力を引き出してくれるような印象です。

 

よく、三番管にバルブオイルを注す方がいらっしゃいます。もちろんそれも大いにあり得ることで、私も以前はそうしていました。しかし、バルブオイルだとどうしてもスライドの摩耗を速めてしまう原因になります。

 

ヘットマンのスライドオイルは気密を守り、摩耗を防ぎ、かつスムーズなアクションを実現出来る製品で、今現在はなるべくバルブオイルではなくスライドオイルを使用するようにしています。

 

またヘットマンの製品は、楽器の消耗を抑えることを優先に開発され、状態の維持をすることでより良いパフォーマンスが出来る、ということをコンセプトに開発されています。そのために楽器の状態に合った、多種多様な製品が生み出されていったのでしょう。

 

さて、長くなりましたが、いかがだったでしょうか。

 

グリスはオイルに比べ、楽器の状態に直結するため、多少選択肢が狭まります。それでも多様な製品が日々開発されていくのは、それだけニーズがあるということなのでしょう。今回紹介した以外にも、ウルトラピュア、トロンバ、ヤマハのライトタイプなど、たくさんのグリスがあります。

 

ぜひ今一度、自分の楽器の状態、またどんな楽器を吹きたいのか、考える機会になってもらえたら幸いです。

 

今回はこれにて。

 

↓以前書いたバルブオイルの記事です。よろしければお読みください。

 

hikaru-tpiano.hatenablog.com