ラッパ光る

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金管楽器を「演奏する」、を改めて考える

こんにちは、ムトウです。

 

新年度も始まって半月ほどが経ちました。学生であれば学年が上がったり、各々の段階の学校を卒業して、環境が変わった方もいらっしゃるでしょう。

 

個人的にこの時期は音楽に関しても、それ以外に関しても整理整頓をして、自分をスッキリさせていく大事な時期だと、年を迎える度に感じております。

 

そこで今回は、改めて金管楽器を演奏する、ということについて考え、書いていきたいと思います。

 

 

恐らく吹奏楽部、一般の楽団などでも、新たに楽器を始めたり、また何かしらの縁があって金管楽器に変わった、という方もいらっしゃるかもしれません。本記事ではそういったビギナーの方がいずれ悩んだ時に、また楽器を吹き慣れた方に、今一度立ち返ってもらえる機会になればと思います。

 

金管楽器は、単に金属で出来ているから金管楽器と呼ぶのではなく、発音原理によってそう呼ばれています。

 

マウスピースから発せられた唇の振動が楽器を共鳴させ、それによって得られた音がベルから外へ出ていく。この唇の振動によって発音される楽器を、金管楽器と言います。

 

そして、この振動を発生させるための栄養が息(エアー)です。

 

金管楽器について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。頬を目一杯膨らませて、顔を真っ赤にして演奏しているのが、一般的でしょうか。野球応援で力一杯演奏している、というのもイメージしやすいかもしれませんね。

 

実際にはそこまでの力は必要とせず、むしろ必要以上の力は楽器演奏にとっては邪魔になってしまうことがほとんどです。

 

よく指導者や吹奏楽部の先輩が、「息!もっと息出して!」と言っているのを耳にしたことがあると思います。もちろん息がなければ唇は振動できないので、それ自体は必要なものです。しかし、息をマウスピースに送り込むためにエネルギーを使ってしまうのは、本末転倒です。

 

呼吸は、私たちが生まれた時から既に行っていることです。呼吸は自律神経によって制御されているから、脳が眠っている睡眠時にも行われています。なので「頑張って」息をする、「必要以上に、無理に吸う」ことは、人間の身体の原理に反していることだと、私は考えています。

 

身も蓋もない言い方をすれば、マウスピースと楽器、五体満足な肉体さえ揃っていれば、楽器は演奏できるでしょう。私たちは呼吸をすることも、マウスピースの装着された楽器を持ち上げ、唇まで持ってくることもできます。

 

あとは歌と同じように息を吸い、吐く。ここで発音がなされます。

 

楽器を始めて間もない方は、無理(唇を強く閉じたり、楽器を強く押し付けたり)をしなければ音が出ないかもしれません。音が出ない時期は大変だと思いますが、音楽をイメージし続けて、繰り返してみてください。息を唇からマウスピースへ流すうちに、唇が自然と振動してくるようになり、やがて第二の声帯になっていくはずです。

 

プロと呼ばれる方たちは、日々これを磨き続けて、結果歌うように楽器の演奏が出来るようになっていっているのだと(私は勝手に)考えています。

 

言うなれば、金管楽器というのはただの金属の筒を曲げて伸ばして形作っただけのものです。ピストンバルブやスライドなどのシステムがなければ、単純な倍音でしか音程を変えられません。

 

更に、ピアノのように音程が定まった楽器ではないため、奏者である私たちに、音(音程、音色、発音など)の全てがかかっていると言っても過言ではありません。

 

楽器から出てくる音の全てを決定するのは私たちです。そしてその音の源泉は脳にあります、つまりイメージです。

 

イメージできないものが、まさしくイメージできないように、演奏もイメージできるものしか存在しません。(ちょっと哲学的ですかね笑)

 

音程も音色も発音も、全てはイメージしたものが歌となり、呼吸へと変わり、音へと変わっていきます。これに関しては、金管に限らず木管にも同じことが言えるでしょう。

 

先述した一文で、息をマウスピースに送るためにエネルギーを使うことは本末転倒と書きました。本当にエネルギーを使うべきは、音をイメージすることに対してだと、私は思います。

 

楽器から音を出すだけであれば、イメージがなくても出来ると思います。しかし演奏をするのであれば、そこには人の血が通ったイメージが伴わなければ、結局は無味乾燥な音の羅列で終わってしまいます。私は演奏がしたいですし、演奏をしなさいと教わってきました。これからも演奏を目指していくでしょう。

 

ぜひ皆さんも、演奏をしてみてください。楽器を始めたばかりの方には大変な作業ではありますが、いずれ楽しさが分かってくると思います。

 

今回はこれにて。