ラッパ光る

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トランペット吹きが楽器や音楽について発信していくために開設。何かのお役に立てますように。

【レッスンレポ&備忘録】3ステップ、自分の想像と実際にどう聞こえるか

こんにちは、ムトウです。

 

しばらく更新をサボっているうちに、夏の気配が濃くなってきましたね。毎年夏バテする身としては、この暑さは堪えます。

 

さて、先日私の師匠の一人である高垣智さんのレッスンを受講させて頂きました。今回はアンソニー・プログ先生の書いたデュエットと、オネゲルのイントラーダ、トマジの協奏曲を演奏しました。

 

重点的に見てもらったイントラーダで、個人的に面白いと思ったのはフレージングについてです。

 

一度目の演奏、私なりの解釈を持って演奏し、概ね好評。しかし、もっと大げさにやっても良いのではないか、というアドバイス

 

二度目の演奏、持ってきた解釈を少し大仰に演奏する。自分でも違いが分かり、聴いている側にもどう歌いたいのかが分かるようになってくる。もっと大げさにやってみよう、というアドバイス

 

三度目の演奏、二度目の演奏をさらに大げさに、フレーズが分かりやすいように演奏。この時点で一度目に持ってきた解釈から大きく変化し、相手に強く伝わる説得力が宿った演奏になりました。

 

この後も何度か繰り返すうちに、この変化した演奏が自分のものになっていくのを感じました。

 

人間は自分が思っている以上に、他人に対して自分の考えていることが伝わりにくいものです。それは言葉であっても文章であっても、人によって解釈が違う以上、どうしても伝達の齟齬が起こり得ます。よく報連相(ホウレンソウ)を大事にしろと言われるのは、ここに理由があるように思えますね。

 

今回のケースのように大げさで伝わりやすい演奏というのは、相手に自分の音楽を伝えるために必要なことだと感じました。

 

さらにこのレッスンの後、以前マスタークリニックを受講させて頂いたアンソニー・プログさん(高垣さんの師匠でもあります)とのやり取りを思い出しました。

 

プログさんは昔、練習室の前を通りかかった誰かを呼び止めて、自分の演奏を聴いてもらうことをよく行っていたそうです

 

その時に、一度目は普段通りの演奏で。二度目はちょっと大げさに。三度目はさらに大げさに演奏して、どれが一番いい演奏だったかを訊ねると、三度目の演奏が一番良かったという感想がほとんどだったそうです。

 

実際に私もクリニックの時にベーメの協奏曲を吹いていたのですが、同じように三回吹いて、回数を重ねるたびに大げさに伝わるように演奏をすると、自分でもはっきりとした変化が出たのを覚えています。(その時、通訳として高垣さんもいらっしゃいました)

 

今回の高垣さんのレッスンは、プログさんとのやり取りを考えなおす切っ掛けになり、音楽をするための大切なエッセンスになるでしょう。

 

今回はこれにて。